2003年11月4日(火)控訴審・第4回 15時30分開廷
傍聴人11名
双方準備書面及び資料の提出
裁判官「中身に入りますか
この裁判では何が争いなのか どういう風に捉えるか」
裁判官「まず私個人の考えを申し上げると、DVDに落としたものは評価は別として争いが無い
テクニック論では当事者間に争いが無い」
裁判官「陳腐性の議論だと思っています」
裁判官「宮崎駿のアニメは誰が見ても宮崎駿のアニメだとわかる
ゲームでは、そういう権利が個人が持つものなのかそれとも会社に残っていくのかどうか・・・」
裁判官「典型的なところをピックアップして控訴人は目的を達成できるのではないか。」
裁判官「例えば英語の辞書でも何万という個所をみていくわけにはいかない」
裁判官「幾何学でいえば任意の一点ですね」
裁判官「ストーリーとキャラクターの書き方が似ているというのは間違いない」
EnterBrain側代理人(以後「eb」)「いえ ストーリーは全く違うものと認識しておりますが」
裁判官「ゲームソフトの著作をどう考えるのか・・・(メモを取る弁護士に対して)一生懸命メモとるようなものじゃないよ(笑」
裁判官「今までにゲームの著作権というものは先例が無い。」
任天堂側代理人(以後「任天堂」)「ですから、これで先例を作りたいと考えております」
(任天堂側 DVDの説明に入る)
任天堂「これまでの資料を更に一本化して両ゲームの比較ができるようにしました」
任天堂「下のテロップでわかるようになっています チャプターで選べます」
(トラキアを画面に出して説明)
任天堂「顔が似てるってことじゃないんです 全体が似ている」
裁判官「容貌については落とす、ということでいいのですか?」
任天堂「はい 容貌については落としてます ゲームとしての著作物を問題にしてます」
(DVDで場面を映しながら任天堂側代理人が説明)
・自分のターンになりユニットを選択して移動や戦闘、待機行動⇒敵のターン
攻撃してexp100でオートLv Up ・主人公が死ぬと悼む言葉が出てGameOver
・「おどる」というコマンドを使うと再行動できる
裁判官「トラキアの物体の一部が問題?」
任天堂「全体構成図を問題にしています。 一つの場面とかの主張はしてないです」
裁判官「一審での主張とは違いますか?」
任天堂「いえ 同じことを言ったつもりです 場面場面だ、という判断をされたので控訴しました」
裁判官「視聴覚著作物ということに間違いは無い これを要件として捉える場合にね・・・」
eb「アイデアであって結局は画像の話 ストーリーは全く違うんです 同一という話になると他にもある」
任天堂「サンプルを用意しました」
(画面にトラキアとティアリングサーガの跳ね橋をおろす様子が出る)
裁判官「日本語はどうなってるの?全く同じ?」
任天堂「同じです 一連の表現はトラキアの著作物 被告側が他にもあるといって出した証拠は3Dのゲームです
それでも頑張って探されたのとは思いますが 」
eb「それはアイデアの抽出ですね 保護する対象じゃない」
画面にキングスフィールドというゲームが映る
キャラが跳ね橋に近づきメニューを出してアイテムから鍵を選択し跳ね橋を降ろす
任天堂「これは3Dの、人間から見た目です おまけにこのゲームの発売はティアリングサーガ以降ですね」
任天堂「私どもが著作物として主張しているのはユニットを選択し行動範囲を出し移動させてコマンドを選択して跳ね橋をおろすそして待機行動に移る
この一連の組み立てです」
ティアリングサーガとトラキアのペガサスの乗り降りの場面が移る
次にドラクエ4の絨毯の乗り降りの場面
(DVD終了)
裁判官「跳ね橋はありふれたというか、、ペガサスはまだわかる」
裁判官「ペガサスというものは神話の動物でしょ 空を飛ぶこともできれば地上を走ることもできる 乗り物としては理想的」
eb「戦闘マップもありふれている アイデアか創作性が無いかのどちらか 先ほどの例はアイデア」
eb「組み立てもアイデアにすぎない」
任天堂「描き方に色々な手段があるはず あえて なぜ 真似をするのかということ」
eb「似てない限り問題ないと考えます」
任天堂「断片的に分けたのは被告側です」
裁判官「ここで5分ほど休廷にします」
−休廷−
裁判官「今日のDVDを複製してもらえますか? 3枚 費用も大丈夫?」
任天堂(技術者らしい人に確認して)「はい 大丈夫です」
eb「私どもの立場として このような進行は想定してなく・・・説明する機会を与えられると思って準備もしてきたのですが・・・(苦笑)」
裁判官「まだね 控訴人の主張を理解してないんですよ
被告側も乙26をDVDにしてもらえませんか?3枚 」
eb(技術者らしき人に確認して)「わかりました」
裁判官「一審判決を前提に考えていて控訴は増改築のようなものだと思っていたが
これは建て直しをする必要があるかもしれない」
裁判官「次回の日程は9日か11日・・・
(協議して)
では12/9(火)15:30とします」
レポート製作者 隆
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